ある本の抜粋
「いるか」
いるかいるか
いないかいるか
いないいないいるか
いつならいるか
よるならいるか
またきてみるかいるかいないか
いないかいるか
いるいるいるか
いっぱいいるか
ねているいるか
ゆめみているか教科書に掲載されていた、谷川俊太郎さんの詩です。
日本語の音とリズムに着目し、声に出して読む楽しさがあります。
谷川さんの言葉は、子どもの頃から、知らず知らずのうちにふれていて、大人になっても、ふっとした時に思い出したり、新しい出会いもありました。
スヌーピーを初めて読んだ時の翻訳は、谷川さんでした。
イラクで戦争があった約20年前、食品会社の広告に、谷川さんの「朝のリレー」という詩が取り上げられ、印象に残りました。
ふれあいの子どもたちも、知らず知らずのうちに、谷川さんの言葉にふれ、大きくなって、時々、ふっと思い出すかもしれません。
ずっと、読み継がれていく言葉が、あると思います。教科書に掲載されていた、谷川さんの詩です。
「生きる」
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
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